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2020.09.25 

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連れ子の相続

 お子さんを連れて結婚し、もし結婚相手の配偶者が亡くなった場合、その配偶者について相続が発生します。婚姻関係にある一方配偶者は相続人になります。ですが連れ子さんは当然に「子」として相続人になるものではありません。親の婚姻の事実により、亡くなった方と連れ子さんとの間に、法律上の親子関係は当然には発生しない、とされていることに理由があります。一緒に新しい家庭を築いて生活していても、法律上親子関係が認められるかどうかは別問題ということになっています。
 
 そこで、連れ子さんと法律上の親子関係が認められる方法としましては、養子縁組があります。連れ子さんと養子縁組を行い、法律上の親子関係を自ら築いていくわけです。養子縁組は各市町村役場にある専用の用紙に記入し届け出ることで成立します。養子縁組はこのような一定の公的な手続き必要としますが、養親となる者と養子となる者との契約で成り立っています。本人たちの意思によって法律上の親子関係を作ることになります。
 養子縁組による法律上の親子関係が認められる場合、養親に相続が発生すると、養子は実子と同様、「子」として相続人となります。相続分も実子と違いはありません。特に養子だからという理由で相続分が少ないなどということはありません。

 養子縁組によらずに連れ子さんに相続財産を残しておきたい、と思う場合には、遺言を作成しておく方法があります。遺言によって相続人以外の人に遺産を引き継がせることが可能ですので、公正証書なり、自筆証書なりの方法で、連れ子さんに引き継がせる財産を遺言書に明記しておきます。この場合、厳密に言えば、相続人への承継ではないので、「相続」ではなく、「遺贈」という承継の仕方になります。

 家族として一緒に生活していたとしても、法律上の家族関係とは一応切り離して考えられています。その是非について様々な意見、考えがあろうかと思いますが、現行制度を自分たちの将来のために利用しようとする観点からすれば、今の法律制度をうまく有効活用して、幾らかでも幸せにつなげられましたらと思います。
                                         徳丸修一
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