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2020.12.04 

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特別受益財産の持戻し

 相続人が複数人になる場合、各相続人は法律上の割合に従った相続分を有します。
遺産分割の話し合いをしない状態で各相続人の具体的な相続分を確定しようとする場合、相続発生時の財産を基礎とする他、相続発生前に贈与を受けていた財産なども相続財産に持戻して具体的な相続分を考えていくことになります。
 具体的な相続分を確定するために、計算上相続財産に含むべき財産のことを「特別受益財産」と呼んでいます。我が国の民法は、「遺贈」により受けた財産や、「婚姻若しくは養子縁組のため若しくは生計の資本として贈与」を受けた財産を特別受益財産としています。

 「遺贈」による財産、つまりは遺言に基づいて無償で譲り受けた財産は、特別受益財産です。もっとも、具体的な相続分を算定するにあたり、既に相続発生時に相続財産に含まれていたものですので、改めて持戻しをする必要はありません。計算上は既に持戻されている財産と言えましょう。
 また、上記のような考え方からしますと、いわゆる「相続させる旨の遺言(特定財産承継遺言)」についても、相続人が譲受人である場合、確かに遺贈ではないものの、相続開始時に相続財産に含まれていたものですから、特別受益財産に類するものとして具体的相続分の算定上、考慮されることとなります。

 婚姻若しくは養子縁組のための支度金としての贈与や、居住用建物など、生計の資本として贈与も、特別受益財産になるとされています。もっとも、個々の事情によって相続財産に持戻すべきかどうかが決まってくるようです。一応、基本的な考え方として、個々の様々な事情を考慮し、遺産の前渡しと評価できるかどうかがポイントになっているようです。例えば、扶養義務の一環として必要最小限度の生活費を給付することなどは、これに該当しない場合が多いと思われます。

 相続人によっては、特別受益財産が多く、結果的に具体的相続分がゼロ、ということもあり得ます。特別受益財産に当たるかどうかについては一律の基準があるわけでもないので、もし相続人間で争いになった場合、弁護士の先生に交渉してもらう、ということも考えられます。
                                         徳丸修一
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