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2021.01.15 

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共同遺言の禁止

 遺言書を作成しようとする場合、2人以上で同一の書面にて作成することは認められていません。共同遺言は禁止され、原則として遺言書全体が無効となってしまいます。ご夫婦、パートナー同士で遺言書を作成しようとする場合、それぞれ別々の用紙で遺言書を作成することをお勧めします。共同遺言が禁止されているのは、一方遺言者による撤回や変更が難しくなったり、仮に一方遺言者に無効原因があった場合の他の遺言の有効性をどのように解すべきか、など、遺言書自体に解釈の余地が生まれ、安定した遺言になりづらいことを理由とするようです。
 それぞれの用紙に各遺言を残すという方法が望ましいですが、仮に同一用紙に各遺言が記載された場合でも、それぞれ別個独立の遺言と評価できる場合には、別々の各遺言として有効とできる余地はあります。また、共同署名している者が単に立ち合いの趣旨で押印している場合も、共同遺言とまでは言えず、有効と解する余地はあります。ただ、後日の争いの基になりかねないので、やはり極力、遺言者単独による署名押印のみとし、立会人などの署名は避けた方が安心です。立ち合いの事実を証する場合は、別紙の書面にて行うか、録画しておく方法が良いと思われます。
 
 例えば「私たちは、すべての財産を○○に寄付します。」というような遺言書を作成しますと、共同遺言となってしまい無効とされてします可能性が高いです。このような場合も、各自同じ内容の遺言書をそれぞれ作成するなどの方法を用いるべきだと考えられます。
                                             徳丸修一
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