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2021.02.05 

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代襲相続

 相続の仕方にはいくつか特殊な相続の仕方があります。その中の一つに代襲相続と呼ばれているものがあります。
 代襲相続は、相続が発生した時点で相続人になっているはずのところ、相続発生前に、既に亡くなっていたり、相続すべき資格を失っていたりする場合、その相続人資格を失った者の直系卑属である子において相続資格を認めようとする相続の仕方です。
 例えば、被相続人が死亡時に、既に子である者が死亡していた場合、その子の子、被相続人から見れば孫に対し、直接相続が発生します。代襲相続によって相続する者を代襲相続人と言います。また、被相続人とその子の死亡時期の先後関係が不明である場合も、この代襲相続が発生します。配偶者の方には代襲相続権は認められていません。
 相続発生時に相続資格を失っている場合としては、死亡の他、被相続人を死亡に至らせたなどの欠格事由が存在する場合、家庭裁判所により虐待等を理由として廃除され、その旨が戸籍に記載されている場合などが挙げられます。相続放棄はここに該当しませんので、相続放棄をした者の子は代襲相続人になりません。
 代襲相続は、上記のように子が相続人である場合に発生するほか、兄弟姉妹が法定相続人になる場合にも発生します。被相続人から見れば甥姪にあたる者が代襲相続人となります。

 代襲相続人になる直系卑属である子において、死亡、欠格事由の存在などのような、更なる代襲原因がある場合、その子の子、被相続人から見ればひ孫が再代襲相続することとなり、このひ孫を再代襲相続人と呼びます。ほとんどないと思いますが、再々代襲相続も理論上あり得ます。他方、兄弟姉妹の代襲相続においては、甥姪限りとなり、再代襲相続は認められていません。

 現行民法では兄弟姉妹における再代襲相続は認められていませんが、昔は認められていました。昭和23年1月1日から昭和55年12月31日までの間に発生した相続においては、兄弟姉妹の直系卑属に再(々)代襲相続が認められていました。昔の制度とは言いましても、実際に相続人を確定していく場合、相続発生時期よっては旧法時代の民法に従って相続人を特定していく必要も出てきますので、旧制度のものであっても全く無関係になったわけではありません。

 戸籍と、相続発生時の民法の規定をよく見て、確認しながら代襲相続人などの相続人を特定していくこととなります。
                                     徳丸修一
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