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2022.01.21 

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遺言で出来ること

 遺言書は、その人の最終の意思表示を示した書面です。しかしながら、あらゆる全てのことが有効に表現できるとは限りません。民法などの法律には遺言書で出来ることが定められています。多くの場合、遺言書は自己の財産を相続人や他の者に承継させることを主な内容とすると思います。この「1.財産の処分」を内容とする他、ざっと挙げますと以下のことをすることが出来るとされています。

2.認知

3.最後親権者による未成年後見人・未成年後見監督人の指定

4.推定相続人の廃除・廃除の取消し

5.祭祀に関する権利の承継に関する主宰者の指定

6.相続分の指定

7.特別受益者の持ち戻し免除など、特別受益者の相続分に関する別段の意思表示

8.遺産分割方法の指定、遺産分割の禁止

9.共同相続人の担保責任に関する別段の定め

10.遺言執行者の指定

11.財団法人設立の意思表示

12.遺言信託

13.保険金受取人の変更

 財産の処分の他に、併せて上の事項を組み合わせて遺言をすることが可能です。もっとも、これらの中には、遺言者が亡くなったことにより当然に効果が発生するものばかりではなく、例えば、2.認知手続きにおいて、遺言に基づいて別途遺言執行者が市区町村に届出を行う必要があったり、3.未成年後見人の指定では遺言執行者による家庭裁判所の手続きを要するなど、更に手続きが必要なものが含まれています。その意味で遺言者が亡くなった後に遺言内容に沿った事務手続きを行ってもらう遺言執行者を指定しておく(上記10.)ことは有用であると思われます。
 法律で規定されている遺言事項はおおむね以上のとおりですが、遺言書には他に「付言事項」として遺言書を作成した趣旨や残された方に気遣って欲しいことなども一緒に記載しておくこともできます。

 遺言書の記載方法は、出来ることを列挙すると難しそうに見えます。まずは「このようにしたい」という希望を明確にすることから始めて、そのための手段としてどのようなことを遺言書に記載したら良いのか、ということを検討されて良いと思います。   徳丸修一
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