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2020.06.05 

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相続財産は、債務も含みます

 相続人は、原則として、亡くなられた方の権利義務全部を相続します。年金受給権などは各個人の固有の権利として相続されませんが、それ以外はプラスの財産のみならず、債務も相続することとなります。
 プラスの相続財産や、相続人固有の財産で返済しきれない債務を相続してしまう場合、相続放棄や相続の限定承認という方法を利用することにより、債務の返済を免れ、あるいは相続した財産の範囲内での返済で済ませることができます。
 もっとも、ここで注意しなければいけないことは、既に相続人が相続財産の処分をしていた場合、これら相続放棄や限定承認の制度を利用することができなくなってしまう点です。
 もし、相続人であることを知りながら、相続した債権の返済を受けたり、不動産を売却したり、他には建物の取り壊しをした場合などには、法律上、自身の相続を承認したものとみなされることになります。実は多額の債務を相続していたことが後から明らかになったとしても、相続全体を承認したとみなされてしまうため、返済の義務を免れることができません。
 他方、相続財産を処分したけれども、その時点で自分が相続人であることを知らなかった、相続人であることも予測できなかった場合には、相続を承認したものとはみなされません。
 自分が果たして債務を相続するかどうかを調べることは、なかなか気の進まないものです。ですが、相続放棄をした方が良いこともあることを考えれば、亡くなられた方宛に送られてきた書類などに目を通し、どのような範囲の相続財産であるかを、できる限りはっきりさせておいた方が良いと思います。
                                              德丸修一
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