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2020.09.18 

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遺言書の保管方法

 自分で作成した遺言書を保管する方法に、特に決まりはありません。自由です。自宅のタンスや金庫、銀行の貸金庫などに保管する、あるいは誰か信用できる人に預けておく、知り合いの弁護士、司法書士などに保管をお願いする、様々です。もっとも、相続が発生した場合にそのまま放置されてしまう心配もあります。
 また、公正証書遺言の場合、その「原本」が確実に保管され、紛失や偽造のおそれを回避できると思いますが、特に相続人などの問い合わせが無い限り、同様に放置されるおそれはあります。
 そこで、遺言書の放置や偽造の心配を幾らか解消する制度として、法務局による「自筆証書遺言書保管制度」というものがあります。法務局は、不動産の相続手続きや相続関係図の証明発行など、各相続手続きに利用する頻度が比較的高いことから、遺言書を法務局に保管しておくことで、遺言書の内容をそのまま保存しつつ、相続人に遺言書の存在を知ってもらう機会が確保できることを狙いとしているようです。

 保管の申請方法は、おおよそ、以下のとおりです。

1.(遺言書を作成する)
 自筆証書遺言書作成の要件、及び、A4サイズの片面であること、決められた余白を設けるなど、保管制度特有の要件を満たした遺言書である必要があります。
2.(保管先の法務局を選ぶ)
 最初の保管先は、①遺言者の住所地、②遺言者の本籍地、③遺言者が所有する不動産の所有地、これらのいずれかを選択します。もし、既に保管制度を利用している場合は、既に利用している法務局が保管先になります。
3.(保管の申請書を作成する)
 遺言書とは別に作成します。専用の用紙がありますので、それに必要事項を記載していきます。
4.(保管申請の予約をする)
 予約制です。
5.(保管の申請をする)
 遺言者ご本人が、法務局に出向く必要があります。代理できません。
 申請の際、本人確認資料として、有効期限内の顔写真入りの証明書、例えば、運転免許証、運転経歴証明書、旅券、マイナンバーカード、乗員手帳、在留カード、特別永住者証明書のうちから1点、持参します。
 また、手数料が1通につき3,900円かかります。印紙で納めます。印紙は各法務局で販売していますので、現金を持参しておけば良いです。
6.(保管証を受け取る)
 法務局の遺言書保管官のチェックが済めば、無事、保管申請完了となります。その際、遺言者の氏名や保管番号などが記載された「保管証」が発行されます。この「保管証」は、閲覧請求など、保管された遺言書に関する各手続きに使用できますので、大切に保管しておいてください。

 以上のような流れになります。もし、ご利用を検討されているのであれば、遠慮なくご連絡頂けましたらと思います。
                                            徳丸修一
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